夢で逢いまっしょい!

森博嗣夢・出逢い・魔性」を読んだ。
森博嗣はここ何年かずっと読んでるけど、久しぶりにお得意の「やられた!」感を味わえました。

タイトルの英文の言葉遊び(英題は「you may die in my show」)がずっと気になってて早く読みたかったんだけど、一応時系列順に追っていきたくて、ようやくたどり着きました。
いつも林警部と紅子さんのやり取りがいちいちセクシーで好きだったんだけど、今回ずっと東京だから林さん出てこないんだね・・・ちょっとがっくし。おっさーん

人は誰しも誰かの皮をかぶっている。

後半のある章で語られる、今回の森 博嗣的思想(勝手にこう読んでいる。登場する天才達の価値観や理屈がそのまま作者の思想に感じられてならないから)
それがまあ、今回の物語の核でもあるんだけど、とっても共感できた。なんて言うか、自分と似てるかもしれないと初めて思った。「カメレオンマン・ゼリグ」(周囲の人物そっくりに擬態できる男の一生を描いたフェイクドキュメンタリー映画。面白いよ。)を予備校で初めて観た時にまんま自分の事だと思ったぐらいだし。
周囲に同化する、擬態する事で自分を保持しようとする、と同時にアイデンテティの不在を感じる、そんな人は今の世の中特に多いと思う。そんな人が読むと考えるきっかけになるかも。

今回一番おいしい人(と勝手に思ってる)稲沢さん。読んだ人はたぶん抱いてる印象違うと思うけど僕はこうでした!